それはある夜の出来事。
当時付き合っていた夫と夕食を共にし、それぞれ人に会う約束があったので『またね』と分かれて数分後の出来事。
片側二車線の国道を走っていた私の車に突然の衝撃。
意に反して前に飛び出す私の車。
あとはもう何が何だかわからず
気づいたら車は止まっていたけど、事故にあったということはわかって大パニックの中
手当たり次第に携帯を探す。(たぶん全然探せてなかったと思う)
外に出ようとドアに手をかける。
開かないドアにパニックは最上級。
『出して!』
『出して!』と泣き叫びながらドアをガチャガチャやる。
助手席のドアに気づきそこから脱出。
ただただうろたえている私におそるおそる近づいてきた人がいた。
『大丈夫ですか・・・?』
なんて答えたかは覚えていないけど、その人から携帯を借りた。
震える手でどうにか夫に電話をかけた。
事故にあったことをどんな風に説明したかわからない。
人と会う約束で行っているから『ごめんね』と言ったような気がする。
私が向かう先をわかっていた夫は、だいたいの場所を検討つけて大至急駆けつけてくれた。
国道は大渋滞。
なんとか事態を把握したかったが、ただ夫が来てくれるのを心細く待っていた。
事故の全容は
後ろから100キロ以上のスピードを出していた車がまず私の右斜め後ろを走っていた軽トラックに衝突。
衝突され押し出された軽トラックが私に追突。
私の車は左側の縁石に乗り上げ時計回りに1回転したあと着地。
逆さまでも横になっていたわけでもなかった点では着地成功だ。
最初に軽トラックに衝突した運転手は警察の人に白い線の上を歩かされていた。
飲酒運転だった。
『シートベルトしてなかったら窓突き破って飛び出してたね』との警察の人の言葉は今思い出してもゾッとする。
幸い軽いむち打ちで済んだが、
事故の恐怖は未だ消えることはなく
人は信じるけど、後ろから追い上げてくる車だけは信じられない。