アラームの何度目かのスヌーズで目覚めた私はなんとも言えない感覚に覆われていた。
少しばかり息が荒く泣き出しそうな自分に気づく。
目が覚める前に見ていたのは、小学生の私が学校に出かける前に上着が見つからず焦って家中を探し回っているという夢だった。
荒々しくタンスやクローゼットのようなものを開け、
また部屋から部屋へといろんな場所を探しまくっている。
私は母の寝ている部屋にも入ったが、夜遅くまで仕事をして帰ってくる母を起こさないように焦りながらも物音を立てないよう注意して探している。
別の部屋に行き探すが見つからない。
困り果てた私はとうとう泣き出した。
そこに当時、母に変わり私の面倒を見ていてくれた祖母が入ってきて
『何をそんなに泣いてるだ』
と私に声をかけたところで目が覚めた。
階下に降りてからも何とも言えない感じは続いていたものの、
着替えを済ませ夫とともに農作業に出る。
作業をはじめても夢をひきづってセンチメンタルなスイッチが入りはじめてる自分。
そんな自分に「また、、」とダメ出ししそうになり
「まぁ、いっか。」
早朝の畑にそよそよと吹き抜ける爽やかな風と鳥の囀りが
「そんな私でもいっか。それが私だし。」
と思い直させてくれ、またしばらく夢の出来事に想いを馳せる。
『いつも1人で頑張っていて、そのことを誰にも知られてない』
私には日々暮らしている中でそんな感覚がずっとあって
それがとても寂しくて。
実際はいろいろと助けてもらってることがたくさんあるけど、
『1人で頑張っていてそのことを誰も知らない』
状況を無意識に拾い集めている。
いや、もしかしたら現実は違うのにただそう捉えてるだけなのかもしれない。
『頑張ることは寂しいこと。』
ふとそんな言葉が私の中に湧いてそれがなんだか妙にしっくりきた。
ああ、私の中に、頑張ると寂しい思いをするって思い込んでる自分がいるんだね。
夢の出来事のように、私は何か困りごとがあっても誰かに助けを求めるという選択肢はなくて自分一人でなんとかすることが身についていたのだろう。
幼い私が忙しい両親を困らせないようにとった行動なのだろうけど、
どんなに辛かったり困ったりしたときも自分で対処し、どんなにいろんなことを耐え忍び日々をやり過ごしていたかをわかってもらえてない、、、
そんな想いが大人になってから、、、というよりもここ近年になってから表面化してきてしまった。
いま、毎日の食事の支度、後片付け、買い出し、お風呂掃除、洗濯干し、洗濯たたみ、部屋の片付け、ゴミ集め、ゴミの分別、段ボール箱の解体、他にも様々な家事にとても苦痛を覚える私がいる。
最近はもうずっと私は家事が嫌いで、そのことを認めれば楽になるのだろうとも思ってきていた。
だから家族にもいろいろと委ねるようになり、実際私が手をかけなくても子どもたちの力だけで立派な食事が出てくるようになったり、その他の家事も嫌がらずにしてくれる。
それでも私は納得しない。
私は家事が苦痛なのではなく
『私がどんなに我慢してそれらをやっているのかを知られないこと』が苦痛なのだ。
そしてそう、それは子どもたちではダメなんだ。
夫が私の苦労をわかってくれないことには何の意味もない。
でも夫を変えようとするのは違う。
最近は夫も家事を気にかけてくれ、できることはやってくれている。
アレやれ、コレやれと次々に指示を出し動かしたところで、私のこれまでの苦労とこれからもずっと続いていく苦労を心底理解してくれないことには意味がないのだ。
そこで思う。
ああ、結局やっぱり親なのか。
親にわかってもらいたかった私がまだ抗議してるってことなんかな。
まだ癒えてないから頑張るたびに寂しさを味わうことを繰り返してるんだね。
「私はしてもらってない、言ってもらってない、受け取っていない」
いつまでも被害者でいたがる自分もいるけど
卒業したがってる自分がいるのもまた本当のところだ。
深刻にならずに真剣に。
これは私がドラマに飲み込まれそうになるときに、たまに夫が言ってくれる言葉だ。
農繁期を迎え疲労やプレッシャーで余裕がないのも仕方ないけど、最近は夫婦でお互いを責めあってるような状況も多く、嫌な気分を味わうことが多い。
でも自分に『どうしたい?』って聞いたら
『夫と仲良く過ごしたいし、力を合わせて農繁期を乗り切りたい』って答えた。
言いたいことを伝えないで我慢するとロクなことにならないし、
かと言って伝えたら伝えたで、なんか機嫌悪くさせちゃったり
ほんと不器用だなって思うし
なんかあるたび『うまく生きれない』って思うけど←これもビリーフか笑。うまく生きるって何って問題。
私の今の課題は『まず自分を先に満たす』だから、
できるだけ体を休め、自分の声に耳を傾け、自分を責めずに「いい気分」を選んでいこう。
あと数日で収穫がはじまる。
ノンストップの怒涛の3週間、今年はどんなドラマが待っているやら。
楽しんでいこう。