福は預かりボランティアをはじめて5番目に預かった保護犬だ。
保護活動の先輩からの情報で市川三郷町役場に迷い犬として保護されていた福に会いに行ったのは、真冬の寒い日だった。
日の当たらない日陰の小さな檻の中にいて今すぐ連れて帰ってあげたいと思った。
うちのワンコ3頭の他にすでに2頭の保護犬を預かっていたが、家族で話し合い翌日に福を迎えた。
唸ったり噛む恐れがある子だったから慎重な関わりをしながらも、時間をかけて少しずつ私たちのことを信じてくれたようで、慣れてからはとびきりのスマイルを見せてくれる本当に愛らしい福さんだった。
ちょっぴりブチャイク(*´艸`*)
でもそこも含めて可愛くて可愛くて、今でもみんなが「大好き」な気持ちとともに思い出す福なのだ。
そんな福の体調に異変を感じ出したのは、私たちに心を許してくれ、「福なら大丈夫、これからずっとの家族と出会って今度こそ幸せな残りの人生(犬生)を生きるんだよ」と希望を抱いた矢先のことだった。
保護された時点でフィラリアが陽性だった福、運命には抗えなかったのだ。
咳き込んで苦しそうな姿を見せるようになり、みるみるうちに痩せ細っていってしまった。
そんな姿を目の当たりにして家族も辛い時間を過ごしていたが、ありがたいことに「動物対話士」として活動している方と繋がることができセッションしていただく機会を持てた。
(これは動物ではなく人間側のセッションである)
初めての「動物対話セッション」に半信半疑、もちろん疑う気持ちもあった。
そういう人も多いのだろう。
まず何の情報もないまま開始5分で対話士さんが動物(写真)から感じることを話してくれて、そのままセッションを続けるか決めさせてくれるのだ。
その5分間で伝えてくれたことが、「えーー、なんでわかるの〜?(・・;)」ということばかりだったので、もうそのまま他にもいろいろ聞いてみたいに決まってる!という感じでセッションしてもらった。
結果、めちゃくちゃ良かった。
人間が癒された。
私たち家族が福に向ける視線、福にかける言葉が明らかに変わった。
私たちは悲観的すぎたことに気づかされたのだ。
具体的に、もう少し水を飲みやすい高さにとか、体のここが辛いかも、、みたいなすぐに福のために改善してあげれることも伝えてもらうことができた。
正直な話、この動物対話100%信じてるかと聞かれるとそうではない自分もいる。
でも、この話を信じることで人間側も気持ちが楽になって優しい笑顔を福に向けてあげれるのならそれが真実かどうかはどっちでもいいことだ。
私たちは苦しむ福を前に
「可哀想な福」「無責任な元飼い主のせいで」「フィラリアの薬さえ飲んでればこんなことにはならなかったのに!」
というような悲しみや怒りを覚えるばかりだった。
対話士さんによると、「福は悲しんではいない。ただ現実を受け入れている。自分が苦しむのを見て人間が辛そうにしてるのが辛い。」とのことだった。
私は反省した。
いくら悲しもうと元の飼い主を恨もうと、現実を変えることはできない。
病に侵された自分を受け入れ、今を一生懸命に生きてる福が身をもって教えてくれたのだ。
以下、当時のfacebookより。
人間でも「癌が消えちゃった!」なんていう話もあるから奇跡が起きるかもと期待を抱いていたけど、、、福さんに残された時間はあまりなさそうです。
しんどいのに、ずーーーっと立ってるから寝かせてあげたいと思うし、
布団じゃないところに寝てれば布団に寝かせてあげたいと思うのだけど、
福はプライドが高いのか、人間に対する不信感がやっぱり根強いのか、
下手に手を出そうとすると怒るので、あまりしてあげれることがありません。
それでも、自由に動けなくなってく体でも福はそれを普通に受け入れてるようにも見えたり、でも最後まで自分を貫く強いものも感じられたり、、、
いろいろと考えさせられます。
『可愛い可愛い福、あなたを迎えてからまだ半年だよ、、あなたが金丸家に来てくれた理由をずっと考えてるよ、、、。』
つづく。