子ども4人不登校からの学び

預かり犬「ロイ」のこと④

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預かり犬「ロイ」のこと③

愛護センターでは保護した犬や猫に対してはどうしても本当に最低限の検査や対応だけだ。ロイはフィラリアが陽性でその薬だけは処方されていた。

ゴンのときもそうだったけど、ロイも愛護センターから引き出してウチで暮らすようになりしばらくして具合が悪くなった。

すでに3頭のワンコたちと暮らしているから全くの素人ではないにしろ、これまでどんなふうに生きてきたかわからないワンコのお世話という点ではまだまだ素人だ。

決して雑な扱いをしてるとかではないにしろ、2頭続けてだと流石にウチの対応が何か悪かったんじゃないかと不安になる。

かかった医療費はボランティアグループに寄せられる寄付から出してもらうことになるため、心苦しく感じてなかなか保護主さんに連絡できずにいた。

それでも度重なる受診とロイの状態から、一度きちんと報告しておかなければとメッセージしたところ、「センターから引き出した犬が病気持ちだったなんてことはよくあることです」と言ってくれたので自分たちの責任ばかりではなさそうだとホッとした。

だけど裏を返せばそういうことだ。

愛護センターに保護されてお迎えが来ないワンコはもともと医療になんてかけてもらってないのだ。

ウチに来て具合が悪くなる、、、このことに関して何人もの人が「金丸家に来て安心したんだよ」とか「緩んだんだよ」とか言葉をかけてくれて。

確かにそういう側面もあると思う。

ウチでは誰一人としてロイの身を脅かすようなことをする人はいないし、食べ物だって十分に与えられる。雨風はもちろん、暑さ寒さでさえ快適なように気を遣ってもらえる。

これまでそこまで配慮してもらえなかったかもしれないし、迷い歩いている期間がどのくらいあったか定かではないにしろ、様々な危険から自分で身を守るしかなく生存本能を200%働かせて生き抜いていたかもしれない。

そんな緊張状態は大変かもしれないけど、でもウチに来て緩んだことであちこちの不具合が出てきてしまったとしたら

そしてそれが痛みや苦しみを伴うものだとすれば、どちらが良かったんだろう、、なんて考えてしまう。

ロイが、何か生きる気力をなくしてしまったんじゃないかと思うと人間の勝手でワンコの生涯に余計な手出しをしている気もした。

↓どうしても相性が悪かったロイとこてつ。男同士だからかなぁ??
 ライオンとウサギみたいなもんなのに、こんな小さな体で自分の方が力がある
 と思ってるらしいこてつ。キャンキャンとまわりをウロチョロしてるとロイ
 が一括して、こてつが怪我しそうになることがしばしば。

↓居間には入れずリビングだけにしてたのに、ある日図々しく居間の一角を強引
 に自分の寝床にしてしまったロイ笑

そして、これまたゴンのときもそうだったのだけど、
病気持ちの老犬と暮らすことはなかなかに大変なことだ。
わが家も、夫婦で農家しながら毎日家にいるということ、子どもたちもみな積極的にお世話をしてくれることはとても大きく
これだけ手のかかるロイを他のお宅へ託すことは考えられなかった。

「もうウチの子でいいよね、、、?」
そんな言葉も何度となく自分の中に湧いたし、家族の間でも交わされていた。

つづく。

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勇気づけアドバイザー金丸由貴子

勇気づけアドバイザー

金丸 由貴子

47歳。果樹農家の嫁。元介護職。 4人の子どもたちが次々に学校に行かなくなり人生を問いただされた39歳から8年経過。 夫とともに自己探求しながら、毎日みんなで笑顔で過ごせるのが何より大事ということに行き着く。 2023現在、長女21歳、次女19歳、長男15歳、次男13歳。